アンドロイドのでエロに踏み込むとどうなるかって話 ※途中で終わります

 


 それを見て驚愕した。
「おまえ……、そんなもの付いてなかったよな!?」
「改造してもらった」
「誰にっ!?」
「内緒」

 ていうか何で付けた。

 ベッドの上で叫んだ。少し前からキスだけじゃなく抱擁を繰り返してから、少しずつ脱がされて、ペッティングまでに至っている。好きという感情からどうしてもオレはセックスに頭が行ってしまうもんだから、その反応を読み取ってはじめは応えてきた。オレを抱くようになった。

 一つになりたいと思っても、相手はアンドロイドで触覚はあっても快感までは得られない。ましてや学生が扱う素体なものだから、セクサロイドとしての機能までは持っていなくて、むろん必要もない部分は付いていなかった。これは女性体でも同じこと。

 つまり相手に性的快感がないのなら、抱かれるしか選択がないんだ。だってオレが何をしたってそれは自己満足なだけで、はじめには影響がない。だからこう……、口でされてたりとかする。
 それが何故か、付いてるのだから驚くのは当たり前だろう。

「なんで……、要らない、だろ?」
「純太を見てると、必要だと思った」
「いやいや、いらねえよ?」
「指をいれたら――」
「やめろ! 説明すんな!」

 待って。心の準備ができない。無いって思ってたんだから、それを受け入れる気持ちはなかったというか、いやなんつーの? これは、「ああそうだな」ってすぐに言えるもんじゃねえだろ。

「はじめ……、おまえさ、まだオレのことよく分かってないんじゃないかなー」
「ごめん、もっと知りたくて付けたというか……」
「いや、あの……、そうじゃなくて、先に教えて欲しかったかな……。そんなすぐには順応できねえよこっちは?」

 弱って頭をぐしゃぐしゃと掻きながら、きれいな体を見た。作り物だからさ、やっぱり理想的な体をしてるんだよ。すごくきれいで絵になるぐらいすっと伸びた背筋、それに伴って目立ち過ぎない腹筋の形もうっすらと影を落として、完璧なもんだ。機能性はないけど、人が見て違和感がないように作られた乳首だって、よくよく見れば淡すぎず誇張もされず、自然ながらもどこかエロスが込められていて、素体デザインの奴らって変態的だよな。それが造形に身を捧げる者の努め。

 本当よくできている体に、なんかもうエロスの象徴が付いていると思うと、一気に生々しさが上がる。今までだってたまにびっくりした。初めて起動した時も些細な挙動のせいでヒトとの差を感じなかった。キスをしていてもどこにも作り物の影がなく、汗だってかくんじゃないかと思うぐらい。

 アンドロイドは汗や涙の分泌はしない。内臓機能に準ずる口腔内は輸液で湿潤環境がある。感情があるから泣きもするが、それは涙を伴わない嘆きでしかない。一見完璧にしてあって、不要は実用芸術的に削ぎ落とされている。五感のうち味覚だけがない。感情で電気を味わう美味しさはあるそうだ。

 はじめはオレの反応を見て、必要だと思って付けたと言った。説明を拒否したが、要は、オレは、繋がりたいという意思で見つめたのだろう……。それを読み取った。

 だってヒトだから当然というかさ、抱かれてると挿入があるという期待が出るというか、それはオレも分かってるんだ。セックスにあるはずのものがないっていうのは、やっぱり違和感はあるんだよ。でもそれは、はじめにはできないことだから求めるつもりは無かったんだが、理屈脳に浮かんでた違和感を察してこうなったんだろうな。

「ちょっと相談ぐらいしてくれてもよかったんだよ?」
 一応、おまえオレの所有物だろ? 一応さ。勝手な改造とか許されないよ?
「ごめん、急を要すると思って」
「そんなにオレそうなってたか?」
「そっ……、その、説明をしても?」
「いや、いらねえ!」
 責めるつもりで墓穴掘るばかりだ。

 ちらっとソレを見る。う、うん、まあまあ立派な……。オレもほんとはさ、ゲイじゃないんだけどさ、はじめにどうこうしない、逆にされるとなるとだんだんそういうやつのネコって方になるよな。してもらったりするのが当たり前になってきて、じゃあゲイとして受け入れるとしてオレは、ソレが欲しいと思ってしまったんだろうな。実際はそこまでしなかったりするって聞いたりはしたことあるんだけど、オレは違うんだろう……。
 少し落ち込んだ。
 無いって分かってるのに欲しがったのか、オレは。
 あまりにも我がままな己を恥じる。はじめが気にしてこんなことしちゃったじゃねえか。どうすんだ。戻せとも言いづらい。またオレが物足りなさを示した時に、はじめには感情があるんだ。傷つくに決まってんだろ。今だってオレが恥ずかしさから怒るばかりで傷つけてる。
 じゃあどうする。

「あの、さ……」
「うん」
「気持ちはよくわかってんだよ。おまえがオレの為にしたことだってのは」
「……ごめん」
「謝らなくていい、オレがさ、単に……、恥ずかしかったんだ」
「コレを見るのが?」
「ちげ、……必要だと思わせるほどだったのかと思ったら、恥ずかしくて」
 語尾が消え入りそうだったが、ある程度説明しなきゃ気付かない。これで分かるだろうか。

 最中だったがためにこっちも服着てなくて、シーツを羽織ってギュッと前を閉じてる。片や、はじめの方は何もかも晒しっぱなしでチラチラ見てしまう。ソレの原因は自分の欲望からだったってことを突きつけられるようで、余計に恥ずかしい。
「……ちょっと隠してくれ」
 目を逸らしつつ口元までシーツの中に埋もれさせながら、指示した。
 ごめんと脱いだシャツで覆っていた。それでいつも通りの姿ではあるんだが、オレが恥ずかしがったせいではじめも居た堪れなくて少し恥じらっている。これを勝手にしてしまったことを反省しつつも、余計なことだったかと失敗を恥じているし、性行為が途中で止まっていることに申し訳無さも表している。

 見ているとだんだん、可哀想かなと思えてきた。止めなければ何度でも謝っていそうなやつだし、元はといえばオレのせいだったんだし、勝手にしたこととはいえこいつがオレのため以外でこんなことはしないはずだから、申し訳なくなった。

「ごめん、はじめ……。怒って」
 シーツの中から謝ると、ブンブンと頭を振っている。気にしないのは分かってる。
「オレも知ってた。いつも純太は恥ずかしがるの知ってるのに、こうするものなんだってよく考えずにした」
 よかった。大分わかってくれたみたい。
「うん……。あ、でもさ……、それ、オレできるかどうかちょっと怖い」
「嫌そうだったらしない」
「ああ……、それとさあ、機能的に気になんだけど、どんぐらい精密……」
「ほとんどヒトと同じことができるって言ってた」
 機能的にヒトと同じということは、張ったりしぼんだりがあって、触覚もあって、でもおそらく。
「……おまえへの影響は?」
「設定されてない感覚は生まれない」
「やっぱそうか」
 性的快感はないんだな。おまえにとっては触覚がある指先なんかと同じものになるか。

 好奇心から試したくなって手を伸ばした。一瞬はじめは体を後ろに引いたが、ゆっくりと手をそこに近づけていくと大人しく待った。
「ちょっと触らせて」
「あ、あぁ」
 動揺している。恥ずかしい、のか。それらの感情は当然あるよな。恋をするほどなんだ。赤面はしないし汗も出ないから、堂々とした雰囲気も感じられるけど、動揺なんかはするんだ。それが恥ずかしさに繋がる。オレがわざとよくよく見ないで、このままシーツで顔を隠しながらソレに触れるなら、はじめにとっては恥ずかしい部分になるだろう。それぐらいは持ってくれなきゃ困る。オレだけじゃ困る。

(途中まで)













 

20170129
以前遊んでました。


■1127 ちょっと、アンドロイドでエロを書いてみようとしたら、すごい楽しいw 本編の延長上に出したいけど、ひどいw あーおかしい。

女性体に替えれば関係はスムーズかと思ったら、男から始めてしまってるんで少しずつ進む以上、手嶋が抱かれることの方がスムーズで、奉仕精神がうまくいくし、設定上無理とは言わないけど、急に立場が入れ替わることになるから女性体ができないという。思ったよりちゃんと青手になってた。